一番大切なことは、どんな栄養素もバランスよく取ることですが、妊娠しやすい身体づくりのためには、特に以下の栄養素が不足しないように意識して食材を選ぶことが重要になってきます。
〇タンパク質:皮膚や筋肉、血管などをつくったり、さまざまな栄養素を身体中の細胞に送り届けるはたらきをします。
〇亜鉛:粘膜をつくります。
不足すると、女性ホルモンのはたらきが低下します。また母体の赤ちゃんの細胞分裂を促すはたらきも持っています。
さらに亜鉛は、精子の活性化にも影響を与えます。亜鉛の欠乏は性欲の低下にもつながるといわれているので、男性も積極的にとることをお勧めします。
〇鉄:欠乏すると、冷え性、肩こり、頭痛などがおきやすくなります。
さらに妊娠中は、赤ちゃんを育てるために、通常の約2倍の鉄分が必要となります。
〇カルシウム:体内の赤ちゃんが骨や歯をつくるために必要な栄養素です。
不足すると自律神経の調整がうまくいかず、イライラが続き、ストレスを抱える原因にもなります。
〇ビタミンB群:タンパク質や糖質、脂質が体内でエネルギーになるための手助けをします。
ビタミンB12やビタミンB6、葉酸などが挙げられます。
なお、葉酸は赤ちゃんの脳や神経をつくるはたらきがありますが、こうした器官は、お母さんがまだ妊娠に気づいていないぐらいの早い時期につくられます。ですから葉酸は、妊娠前からあらかじめ摂取することが望ましいとされています。
厚生労働省も、妊娠を計画している女性に葉酸の摂取を勧めています。
〇ビタミンA:葉酸が赤ちゃんの神経をつくるはたらきに関係があるのと同様、ビタミンAは、赤ちゃんの細胞や器官がつくられる際に必要とされる栄養素です。こちらも妊娠初期に特に必要な栄養素ですので、妊娠前から意識して摂取しておくとよいでしょう。
ただし、ビタミンA、特に天然ではなく加工されたビタミンAの過剰摂取は、赤ちゃんに影響を与えるという報告もありますので、注意が必要です。
〇ビタミンEとビタミンC:「活性酸素を除去しよう」のところをご覧ください。